好きな筋肉は縫工筋、好きな骨は肋骨、itachy(@itachy_blog)です。
整体師を7年近くやっておりました。
結婚を機に辞めてしまったんですが、今もたまに夫の腰痛を和らげてあげています。
そもそも「『整体師』という仕事ってよく知られていないのでは?」
と思ったので、これまでお客様や友人知人によく聞かれたこと+α をまとめた14の質問に答えてみたいと思います!
『病気じゃないけど体がしんどい。整体ってどうなの?』
『一回仕事としてやってみたいけどどうなの?』
と思われてる方々の参考になれば幸いです。
なお、あくまで 私個人の意見であり、整体院や療術ごとに異なる点もありますのでその点はご了承ください。
【こんなことが分かる】
そもそも整体ってなに?どんな仕事?
Wikipediaさんで「整体」と調べてみました。
整体(せいたい)とは、日本語では主に手技を用いた民間療法、代替医療を指す。
整体 – Wikipedia
日本語としては、大正時代に用いられるようになった用語で、アメリカで誕生したカイロプラクティック・オステオパシー・スポンディロセラピーなどと日本古来の手技療法と組み合わせたものを、「整体」や「指圧」と名付けたのが始まりのようである。
現在、俗に用いられる意味では、カイロプラクティック(脊椎指圧療法)に似た骨格の矯正(主に脊椎)を目的とした手技療法を指して使われることが多い。
※脚注番号は省略しています
なんかややこしいですね。
ざっくりとした実感から言うと、
『主に体の不調(肩こり・腰痛など)を持った方の体のバランスをいい感じに調整し、来た時よりも元気になってもらうお手伝いをする』
そんなお仕事だと思ってくれれば良いと思います。
あと、メインは「施術(お客様に整体を施すこと)」ですが、店舗の売上管理、広報活動、店内清掃や備品管理など、事務的な作業も主な業務になります。
ケガや病気じゃなくても整体行っていいの?
『整体ってマッサージより敷居が高いけど、整形外科よりはまだ行きやすい…?』
みたいなイメージあるので「なにか症状が無いと行ってはいけないのでは?」と思われる方も多いですが、
ケガや病気じゃなくても行って全然OKです。
むしろケガや病気は整体院の対象外なので病院に行ってください(ここ重要)
のちほど書きますが、整体は医療ではないので病気やケガを治す「治療」は法律で禁止されてますし、健康保険も使えません。
整体ってボキボキされるんでしょ?
必ずしもそうとは限りません。
施術者の熟練度、施術方法の得意/不得意や、
お客様の年齢、体調、過去のケガ・手術の有無、施術方法の好みなどによって
ボキボキするかしないかを判断して使い分けることが多いです。
大まかに整体の施術方法としては
- 関節をボキボキする方法
(よく思い浮かばれるイメージがこれ) - 手技で緩やかに関節調整する方法
- 器具を使う方法
- その他
(経穴経絡、気功、解剖学的な観点からの独自路線)
などがあります。
昨今の風潮としては『ボキボキ控えめで、緩やかに整えていく』方法が増えている気がします。
店舗や母体となっている整体師団体、はたまた施術者によってどの方法を選ぶかは様々ですが、「お客様の安全が第一」なので、お客様の状態に合わせて施術方法を変えることがほとんどです。
なので『もし整体に行きたいけどボキボキは怖い…』という方は、遠慮なく施術者に言えば考慮して施術してもらえますよ。
柔道整復師、鍼灸師とどう違うの?
大きな違いは、
- 国家資格か、民間資格か
- 施術範囲の違い
- 保険適用されるかどうか
の3つです。
1.国家資格か、民間資格か
整体師は民間資格、
柔道整復師・鍼灸師は国家資格になります。
2.施術範囲の違い
整体師は施術に使う方法や手段は、資格認定を受けた団体・連盟によって様々で、施術範囲は全身だったり、肩や腰の部位だけなど、施術者によって様々です。
柔道整復師は『骨折・脱臼・ 打撲・捻挫・挫傷などに対して手術を行わない施術』、
鍼灸師は『適切な経穴経絡(ツボ)や筋肉に鍼を刺す、または艾(もぐさ)を燃やし刺激を与え、治療を行う』
と、それぞれ施術対象や方法が限られています。
ちなみに、『鍼灸師』というのは『はり師』と『きゅう師』という別々の国家資格を両方とも持っている方の総称で、鍼灸師という資格名は無いそうです。
(この記事書いてて初めて知りました…)

3.保険適用されるかどうか
整体は医療(お医者さんの治療)ではないので、残念ながら施術料は全額実費です。
柔道整復師・鍼灸師は先ほど挙げた対象範囲に限り、保険適用となる場合もあるそうです。
協会けんぽのホームページが分かりやすかったので、気になる方はご覧になってみてください。
ちなみに、マッサージ師も国家資格ですが、
国が「視覚障害者が稼いで生活する手段としてあん摩マッサージ指圧師の資格があるよ!
けど目が見える人が資格を持っちゃうと、視覚障害のあるマッサージ師の人が仕事に就きにくくなっちゃうから、当分の間は視覚障害者以外の人は取得できないよう規制をかけるよ!」
という風に法律で決めているため、視覚に障害がない方で所持している方は少ないと思われます。
(昨今はその規制を緩和したいという流れもあるようですが、今も規制は残っているようです)
↑ちょっと難しいですが、『あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律』内の「附則抄の第十九条」に載っています
そして、この資格を保持していないと「マッサージ店」を名乗ることは出来ないので、『マッサージ』と使っている、かつ無資格のお店や人はアウトだと思っておいて間違いないと思います。
整体師は国家資格なの?通信講座で取れる?
柔道整復師、鍼灸師とどう違うの?でも書きましたが、整体師に関する国家資格はありません。
しかし『国家資格だから格が上である』という風には一概には言えないので、自分にはどの方法が体に合っているのか?は人によって異なります。
あと、通信講座では見かけたことはないです。
人体の知識だけを学ぶのであれば通信でも可能でしょうが、『人の体を触って感覚を叩きこんでいく』部分が強いものなので、そこを習得しようと思うと通信では難しい気がします。
整体師の男女比はどのくらい?
私が属していた会社では男8:女2くらいだったかな…
やはり体力仕事なので、結婚・出産と共に退職される方が多い印象です(私もそのうちの一人ですが…)
しかし、女性でも『女性である』ということで「人当たりが優しそう」「施術が痛くなさそう」というイメージを持ってもらえるという利点があり、男女関係なくバリバリ働くことは可能です。
お給料はどのくらいなの?
私の場合、年収額面200~250万程度…という感じで、人によっては厳しい金額かもしれません。
整体師およびリラクゼーション系店員の給与パターンとしては、
- 月給制
- 完全歩合制
- 最低賃金+歩合制
のどれかですが、私が属していた所は「最低賃金+歩合制」のパターンで、
(最低賃金×勤務時間)+各種手当 が最低ライン、
それを超える分の売上や実働時間による歩合分、給与が増えるという感じです。
毎月の給与額の波はありますが、努力と自己研鑽によって額面給料を上げることは可能なので、
バリバリ稼いで高みを目指したい人は一度挑戦してみても良いのでは?と思う働き方ですね。
家族にも施術したりするの?
たまーーーーーーーーーーーにします。
3か月に2,3回あるか無いか(笑)
どんなお仕事でもそうですが、家族相手になると仕事スイッチがOFFになりませんか?
私はスイッチOFFになってしまうので、チャチャっと肩もんで「ハイ、終わり!」ということがほとんどです。
けど本当に調子が悪そうな時はしっかり診てあげて、仕事モードで施術します。
やっぱり自分がやってあげた事で家族が元気になってくれる姿を見られるのは嬉しい事ですね。
結婚できるの?
役所に婚姻届けを出せば出来ます!( ・´ー・`)ドヤッ
\\ 違うそうじゃない //
という声が各方面から聞こえてきそうなので、もう少し補足しますね。
お給料はどのくらいなの? でも触れましたが、一人の稼ぎで家庭を支えるのは仕事一筋でないと難しいのでは…?と思われますが、夫婦共働きで頑張れば何とかなるのでは?と思います。
あと、土日祝はお客様も多く、稼ぎ時なので、パートナーにはそういったことを理解してくれる方(もしくは同じ平日休みの方)とだと上手くやっていけるのでは…という感じです。
なんでなろうと思ったの?
新聞に折り込まれている求人チラシを見ていて
『整体って…なんか体ボキボキするやつやんな…けど正社員やし未経験でも大丈夫って書いたるし、昔肩もみ上手って褒められたし悪くないかも…一回お客さんとして店行ってみるか…』
って思ったのが始まりで、
ざっくり言うと『なんかピンときた』って感じです(何の参考にもならない)
その後お客さんとして行ってみて、スタッフの方が体の状態を懇切丁寧に説明してくださったので『あ、ここはちゃんとした所だな』と思ったのも『ここで働こう』と決めたポイントでしたね。
どんな人が向いてる?
- 好奇心旺盛
- 探求心がある
- 勉強熱心、オタク気質
- 体力がある
- 体を動かすのが苦ではない
- 人間観察が好き
- 人から感謝されたい
- 昔、家族などの肩もみをして褒められた
- フツーのサラリーマンのような働き方はしたくない(出来ない)
ざっと思いつく限りではこんな感じです。
逆に向いてないかな…と思う人は?
- 体力がない、疲れやすい
- 黙々と作業がしたい
- 勉強したくない
- 他人がつらそうにしてても痛そうにしてても平気でいられる
- 他人に対しての敬意がない
整体師としての技術がもちろんですが、人対人の仕事なのでお客様の様子を観察し、対応しようとする気持ちや態度は必須ですし、そういった点ではコミュニケーション能力が必要な仕事なのでは?と思います。
整体やっててよかったなーと思うことは?
『お客様からダイレクトに感謝や反応を得られる』
『自分の技術で喜んでもらえる』
この二つがこの仕事の醍醐味だなーやってて良かったなーと思う瞬間です。
そういった点については良い仕事だなぁと思っています。
あとは、「あ!この姿勢してたら肩こるわ(腰悪くするわ)」と思い立って対策打てるようになるので『自分の体の使い方が上手くなる』気がします。
辞めたいなと思ったことはある?
私は『整体師になるぞ!!!』と意気込んでこの世界に入ったわけではなく、
とりあえず面接受けてみよ!受かったらラッキー!くらいで入社した上に、正社員経験が人生初だったので、
『今までよりはお給料もらえてるし、有休もあるし、社会保険にも入れてる!健康診断やインフルエンザ予防接種の補助も出るんや!!正社員すごい!仕事もそこまで苦じゃないし、整体の勉強も興味深いし、まぁぼちぼち頑張ろ~』
とのんびりやってきたので、『辞めたいな』と思ったことはあまりありませんでした。
逆に、明確な目標を持って入社した人は『早く自分の店を持ちたい!』と思って辞めるタイミングを窺っていましたし、
整体業界に夢を持ってやってきた人は『思ってた働き方と違う!』という壁に当たっていましたし、
辞めるタイミングを窺っていた気がします。
おわりに
マッサージ、整体院、リラクゼーション、もみほぐし、整骨院、接骨院………
で、どう違うの?
って思われる方が大多数なので、少しでも『整体』について知ってもらえたらな…と思い書いてみました。
もし『こんなこと書いてほしい!知りたい!』ということがありましたらご一報ください。
みなさんもぜひ整体受けてみてね!
ほなね~( ・ω・)ノシ
コメント